お気に入りの  ラジオで  お気に入りの  音楽を (その2)  


管球式ラジオで聴くんだから、送信側も管球式でってのは心情的にはわかる。しかし作るのは金がかか るし、電力も食えば場所もとる。そもそも真空管オーディオなんてエコロジーに逆行することをやってるんだから、せめてあまり目に付かないところぐらいはお となしくいこうよ。これならめちゃくちゃ省エネだし製作コストもせいぜい500円。


その昔、6WC5と6ZDH3A、または6BE6と6AV6を使ったトランスミッ ターがよく雑誌に載っていたことをご存知の方も多いでしょう。何でこの球なのかといえば五球スーパーで使われていたからで、当時としては一番身近な球だっ たんでしょうな。だいたいこんな感じの回路が一般的だったと思います。

 こういうのは五球スーパーのジャンクがあちこちに転がっていた時代だったから こそ価値があるもので、たぶん当時の人はジャンクのシャーシにそのまま組んだりしていたんでしょうな。だからいまさらこんなものを作るのは酔狂以外の何も のでもないんですが、作っちゃいました。たまたま五球スーパーの抜き球と使ってない並四ラジオのシャーシがあったもんで。

 とはいえ回路を見てもらえればおわかりのとおり、見た目は立派ですが大して電波は飛びません。繰り返しますが、決して今の世の中にわざわざ作るような代 物ではないと思います。
 

ならば今の世の中にあるもので作ればいい。それもできるだけどこにでも転がってるもので。っていうんでできたのがこれ。

昔の作法に習い、できるだけオリジナルの部品を残しつつ最小限の追加部品で作ってみました。電池式ならば ターミナルと抵抗など、合わせて100円程度の追加部品でできます。写真はACアダプターをつなげるようにしたもので、やってみたら意外と大きなハムが出 ちゃったので、大きめのコンデンサでフィルターを作っています(黒っぽくてよく見えないと思いますが、ケースの上のほうです)。おかげで500円ぐらいか かってしまいました。

やっぱり電波はたいして飛びません。しかしまあこの大きさとコストなら納得のレベルでしょう。

さて、回路図はこんな感じです。

こちらにある回路図を参考にさせてもらいまし た。よろしければ比べてみてください

ご覧のとおりもともとの3石のうち発振混合と低周波増幅の2石のみを残しています。この点では冒頭の真空管式の正当な後継者って感じですが、おかげで飛ぶ 距離も同様たかが知れています。高周波増幅段がないのでアンテナに触ると周波数がずれます。

以下に簡単に作り方を紹介します。

おなじみ100円ラジオです。買うときに一緒に電池(単4)も買っておきましょう。ラジオを聴くわけではないのでイヤホンは買わなく ても結構です。

中身はこんな感じです。こんなの100円で売っていいんでしょうか。

 まずは基板を取り出し、使わない部品を取り外しましょう。半田ごてと半田吸い取り器を用意してください。
バリコンとバーアンテナの間にあるねじをはずし、チューニングダイヤルを引っこ 抜くと基板が取り外せます。電池の極板もそうっとケースからはずせば基板の取り出しは終わり。さあ大き目の部品からはずしていきましょう。
左の写真の○のついた部品をはずします。結構根こそぎって感じ。取り外した部品の一部はあとで使いますから捨てないでね。

取り外す部品は大物から
・バーアンテナ
・中間周波数コイル黒、黄色
・イヤホンジャック(一緒に電源の配線も取れますが、またあとでつけますので心配ご無用)
・トランジスタ(BG2,黒いコアのトランスのすぐ横にあるやつ)
・ダイオード(D1)
・電解コンデンサ(C4)
・セラミックコンデンサ(C5,C6,C7、C8)
・抵抗(R6,R8)

基板の改造はパターンカットとジャンパが各1箇所です。左の写真では入力周りの 配線が済んじゃってますが、本来は電池のマイナス側に行く線が1本残っているだけです。
ジャンパは半田が山盛りになっちゃってますが、図のようにつないでください。パターンカットはカッターの刃 でぎょりぎょりやってもいいですが、結構やわな基板なので、目的の箇所を長いこと半田ごてで押さえていると剥がれてきます。あのいやなパターン剥がれを再 現するわけね。
部品を取り付けます。100オームと47kオームの抵抗をそれぞれ図のように、C4のケミコンをC7のあっ たところに、47uFのケミコンを図の位置に、それぞれ取り付けます。裏側でしっかり半田付けをしてください。なお100オームの抵抗はあとで取り付ける アンテナ線の関係で写真で言うと上の方向に寄せて取り付けています。

以下次号



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