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素敵な骨董ラジオが家のあちこちにあっても、聞こえてくるのが毒蝮三太夫やつボイのリオだけでは興 醒め(どっちも好きだけどね)。おまけに暖かくなるといつも野球中継ばっかりでつまらない。これを作ればラジオが製造された当時の音楽を聴くなんておしゃ れな遊びも可能。 |
ラジオが好きなんでいつも聞いていたいけど、いつも聴きたい番組をやってるわけ じゃないですよね。とくに暖かくなってくると夜はどこを回しても野球中継ばっかり。だから寒いうちに小さな送信機を作っておいて、秋まで手持ちのCDやレ コードをお気に入りのラジオで聞いて楽しむことにしましょう。 |
回路は左記のとおり左の三極管部でハートレイ発振回路を作り、右の五極管部で変調します。右の回路はただの
アンプみたいに見えますが、バイアスが深めになってるのがミソで、非線形回路になっておるわけですな。真空管アンプの本を読むとA級とかB級のほかにC
級ってのが出てるでしょ?いったいこれどういうときに使うんだって思いませんでした? 私は思いました。答えはこれです。こういうときに使うんです。 図には描かれていませんが、ヒーターは必ずどちらか一方をアースに落としてください。写真は骨董品(ごみ?)の電源トランスを使っていますが、おそらく 東栄変成器の並四用トランスが使えると思います。 この回路は手作りアンプの会の宇多さんに教えてもらいました。(回路図も宇多さんが描かれたものにほんのちょっと手を加えただけです。宇多さん、いつもあ りがとうございます) |
シャーシ以外は手元にあった部品だけでできました。コイルはたまたまプラグインコイル用のボビンがあったので使ってますが、フィルムケースでも塩ビ 管でもいいと思います。75回ぐらい巻いて60回目ぐらいでカソードタップを出して、さらに15回ぐらい巻きます。コイルのインダクタンスの計算方法は、 ネット検索すればたくさんヒットすると思います。インダクタンスさえ合っていれば巻き軸の直径は上の図のとおりでなくても大丈夫です。
バリコンはよく手に入りにくくなったといわれますが、ここで使う容量のものは結構ジャンク屋なんかに転がってます(ダイソ−の100円ラジオバリコ ンも使えます)。上と同じバリコンが手に入らなかったら、所望する周波数が得られるようにコイルのインダクタンスも変えてください。たとえば上の図の場 合、90μHのコイルとバリコン及びそれと並列のコンデンサの合成容量が200pFですから、
これで1168kHz付近に飛ばしてくれるはずですが、なかなか計算どおりにはきません。とくにコイルは微妙 なんで最初からカットアンドトライでいく覚悟で。バリコンの変動範囲と中波の周波数とがうまく一致しない場合は、バリコンと並列に抱かせるコンデンサか、 コイルの巻き数をいろいろ変えてみてください。
球は6U8A、6BL8、6GH8Aなどが使えるそうです。私は超三アンプの初段用に買い込んであった6EA8を使用しました。
実はこれまでにも数台AM送信機を製作しています。しかしまともに鳴ってくれたのは上のほかは1台だけでした。その唯一の例外が下の写真です。
じつはこれ、Antique Electoronic Supplyから出てい
るキット(K-488)
です。説明書のとおりに作るとこんな感じになります(写真は電源部のコンデンサを1個多く抱かせています)が、長く使うならちゃんとしたシャーシに組んだ
ほうがいいでしょう。というよりオリジナルのままではヒューズもついてないので、危険です。 こういう荒削りなキットですが作りやすくお値段もお手ごろ(2003年3月2日現在$35.50)なので、お勧めできます。唯一難点を挙げるとすれば、 電源がAC117V専用なので、日本で使うには少しばかり改造が必要です。B電源はフィルターの抵抗を少し小さくすれば済みますが、ヒーター電源はそうは いきません(日本のコンセントで使用すると10Vぐらいになっちゃいますこれではエミッション足りない)。方法としては、 1)市販の海外製品用のトランスを使用する。 2)球を6SA7に変更し、ヒーターと直列に抵抗なり電球なりを入 れて電圧を下げる。 3)ヒータートランスを別に用意する などが考えられます。(改造は自己責任でね) なおこのキットは1939年製のZenith 社のS-7000というモデルを基に作られたそうです。 |
アンテナは数10センチの長さで十分電波が飛びます。使用にあたってはアンテナを長くしすぎないなど電波法に触れないようご注意ください。
あんまり波形が美しくなかったので、手作りアンプの会ラジオ分科会で質問。上のように回路を変更してみました |