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Bluetooth真空管ラジオ
その7
Philco E-814
オリジナル管活用アンプ

シンプルなデザインと色が気に入ってだいぶ前にオークショ
ンで手に入れた。先の
シアーズ4球スーパーと同じ真空管ラ
ジオの最晩期のもので、回路が全てプリント基板上に組ま
れている。もとの回路構成と米国とのAC電圧の差を利用す
れば、オリジナルのラジオにある管だけでアンプを構成する
ことが可能とわかり、同じものを作ろうと考えている方の参
考にでもなればと作ってみた。



 

シンプルなラジオだが、なんというか華がない。金色の部分は全部塗料だし、チューニングダイヤルもバリコン直結。そのくせそれほどコンパクトでもない。おそらくパーソナルラジオとして廉価で売られていたのだと思う。どうもコレクターの興味をあまり惹かないようで、ネット上にあまり情報もなかった。

改造前の写真は唯一これしか残ってなかった。スチロール系の樹脂が経年変化して、ハコの鋭角に貼りだしたエッジがボロボロになっている。この時代のラジオではしばしば見かける状況。なんとかオリジナルの色を残そうとして真鍮板を左右にあてがったりして余計貧乏臭くなっているの図。気にはなりつつこの状態で10年ぐらい放置していた。

 回路構成は 12BE612BA612AV650C535W4のスタンダードな電源トランスレス五球スーパー。それがプリント基板にみっちり組まれている。VRもバリコンも基板上にある。つまりこの写真のチューニングダイヤルとバリコンを結んだ線のあたりにプリント版が収まっているわけ。

 箱がデカイのはおそらく5球スーパーの回路を収めるためにこの高さが必要だったからだと思うが、おかげでスピーカーのある当たりはほぼ空っぽ。改造用のベースとしてはかなり有利な条件である

 

写真あんまり撮ってなかったんで、いきなり完成形。

もともと12BE6-12BA6-12AV6-50C5-35W4という構成から12BA6以外は全て流用。これで12V+12V+50V+35V=109Vで、直列にして100Vで点火するのに調度よい値になる。12BE6を超三の初段管に使うアイディアはDad'sProjectさんから頂いた。さらにその元ネタはわたしの師匠の宇多さん。世間は狭い

 

 とりあえずこんな感じで組んでみた。 

プリント基板はソケットの端子の周りを除くすべてのパターンを削り落としてしまう。あとは手配線。

バリコンは中の羽根だけはずして、シャフトのあったところにロータリエンコーダーを仕込む。

 

  

実はエッジ部分だけでなくあちこち相当なボロボロ加減だったので、穴や欠けをプラリペアやエポパテで埋め全塗装した。これのためにエアブラシも導入。落ち着いた緑色


 

  

. オリジナルとほぼ同じ所に同じ管があるので、熱の心
配もなさそうだったが、なにぶん古いものなので用心し
てファンをつけた。PCケースの背面スロット用のファン
がほぼそのまま使えた。    

またぞろ100円ショップのガラスエンクロージャー。まだ余裕があったので10cmでもいけたと思うけど、手元にあ
った8cmのユニットを使った。小口径ながら密閉箱なので結構低音も出る。横に東栄のトランスを2個置いてもま
だまだ余裕である。

 

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