Bluetooth真空管ラジオ
その2
「明聽號」

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2台目は国産の並四。直熱三極管アンプを作ってみたかったので、それに合った外観のものをオークショで探しだして落札。せっかくだから古典管らしくトランス結合とし、前段も同時代のST管を使用。1号機ではほとんどなかった熱の問題に悩まされる。





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到着時の外観およびシャーシ内部はこんな感じ。ノブも真ん中のウインドウのレンズもなくなっていた。シャーシ内の部品はいかにも触ると体に悪そうな感じ。使えるソケット以外は全て外す。2台目とうことで少々大胆にバッサリといった

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で、いつもながらシンプルな回路に落ちついた。71A無帰還プッシュプル。本来なら純然たるトランス結合というのがこの時代の球にはふさわしいのだろうけれど、一次側に直流が流せるようなドライバトランスは万単位が普通で、とても手が出ない。そこで一次側の直流をコンデンサでカットするクラーフ結合とした。これなら1000円以下のトランジスタ用のトランスが使える。

前段の27はたまたま手元にあったので使ったのだが、後になってヒーターがものすごい大食らいであることを知り、とてもヒータートランスではまかないきれず、スイッチング電源を導入した。これが後々禍根を残すことになる。

スピーカーは同時代のものとなるとほとんどがマグネチック型という高能率だけど電話の受話器ぐらいの帯域しかないもの。Hi-Fi用となると永久磁石ではなく電磁石を使ったフィールド型ってことにとなるが、このラジオに合うような口径のものは見たことがない。もしあったとしてもとんでもなく高価な骨董品だろう。しかたないのでここは少しだけレギュレーションをゆるめて、戦後の国産ユニットを使うことにした。オークションで今はなきコーラルのFLAT8が出ていたので落札。ペアでなければ意外と安い。

 

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今回は手持ちの部品だけでは足りず、北海道の「ラジオ少年」さんからトランスを調達。前段に使った。出力管71AeBayで調達。

 

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シャーシの中はこんな感じ。1号機に比べればいくらかマシだが、やはりとても人様にお見せするようなシロモノではない。が、あえて恥を忍んで




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なくなったノブがどんな形だったのかは知る由もないが、同じ時期に買った別の古ラジオのノブを型どりして、市販のつまみを利用してプラリペアで新たに作った。


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とりあえず仮組み。味があると言えなくもないけれど、いかにもみすぼらしい。グリルの布も汚れてシミだらけ。木工はあんまりやったことないけど、もう少し綺麗にしてみる。

 音はなかなか悪くない。しかし裏蓋を閉めると数分ほどで音がバリバリと割れてくる。箱のなかは高温だけど煙が出そうなほどではない。真空管やトランスはこの程度の温度で誤作動することはないので、原因は半導体部品、特にシャーシ内に収めた前段管用の電源が怪しい。

 

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とりあえずシャーシ中のスイッチング電源をはずし、大容量のUSB電源をシャーシ外に設置し、前段管のヒーターとUSBレシーバーの電源とした。

設置してみると、猛烈なハム。大容量の電源から猛烈な磁界を発生して隣のスピーカーを直接鳴らしていることが判明。電磁シールドのためステンレス製の外套をまとわせた。

 

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真鍮部品を外し、全面にペーパーを掛けて塗装を剥がし、墨線を引き直してニスで塗装。ちょっと色が明るすぎたかも。

 

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とりあえず外して静かに洗ってみたけれど、みるみるボロボロ崩れていく。オリジナルは諦めて、手元にあった古風なグリル布の中から本体の色にマッチしそうなのを選んで貼り付ける。均等にテンションを掛けたつもりだったけど、ちょっと歪んでしまった。

長時間の実用のため、最終的に筐体の底とシャーシの天面に穴を開け、筐体の最上部にファンを設置して強制的に排熱するようにした。前段は大食らいの27から56へ、現在は76に変更しヒーター電源をトランスにしている。

現在名古屋市内の某カフェにて実働中。

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