Bluetooth真空管ラジオ
その1
RCA Victor 9-X-571

ftp://ftp3.nifty.com/homepage/mobile03.jpg

初めて本体改造したのがこれ。大きく奥行きがありしっかりとしたベークライト製の筺体、大口径スピーカーなど、Hi-Fi再生機にするための条件がそろっている。何より見た目が美しい。






1900.JPG

到着時の中身はこんな感じ。掃除して鳴らしてみたら真空管は全部生きていた(トランスレスなので一本でも切れてるとすべての球が点灯しない)。このラジオにはもともとシャーシ背面にRCAジャックが装備されており、ピックアップをつなぐことができる。それで鳴らしてみたがやはりいま一つ納得いかない。現状一応動作する貴重な技術遺産の中身を入れ替えることには当初かなり躊躇した。

しかしこれをラジオのままにしておいたところで物置に積まれるだけのこと。外部接続でBluetoothレシーバーをつけたところで音質が今ひとつなら早晩物置行きになることに変わりない。ならば現在でも毎日使えるものを作った方がいいんじゃないか。とはいえ中身をICアンプにするなどというのは歴史を冒瀆するようなもの。当時の技術に敬意を表し、可能な限りラジオの製造時期と同じ時代にすでにあった部品や回路で作ることとした。


https://fbcdn-sphotos-f-a.akamaihd.net/hphotos-ak-prn2/v/t1.0-9/225310_459449380793537_270654067_n.jpg?oh=b22a0123bcd16c2798d1136c30866084&oe=552F8D33&__gda__=1428285309_e418836d6d79846b0a7132becaa2e967

もとのラジオの回路図はこんな感じ。初めて貴重な技術遺産に手を入れるという罪悪感もあり、可能な限りオリジナル部品を流用しようと頭をひねった。とくにもともとトーンコントロール付きで出力段も専用トランスを使ったウルトラリニアという凝った仕様なので、これをまるごと入れ替えてしまうのは惜しいように思われた。しかし元の回路がトランスレスなので真空管は使えず。せっかくのUL端子付きトランスもシングル用の割に小さい。トーンコントロールもAMラジオ用のレンジの狭いものだし、必要ならばソース側で調節したほうが音質の劣化も小さいと考えてバッサリと切り捨てた。




6V6pp.PNG

で最終的にはこんなシンプルな回路になった。真空管はすべて1930年代後半から40年代に製造されたメタル管。ガラス管を使わずメタル管で揃えたのは単にそのほうが好みだったからというだけで特段理由はない。スピーカーは同時代の設計でバカ高い骨董品化しておらず密閉箱でなくてもちゃんと鳴りそうなもの…となると、Altec409-8E以外になかった。中古品がネットで1万円ぐらいで手に入ることをあとで知ったが、この時は新品のElectroVoiceAltecの後身)製を揃えた。


14821483

すべて手持ちの部品で作ったのでトランスの見た目や取り付け方にかなり無理があるのはご愛嬌。シャーシの前の部分がスピーカーユニットと干渉したので、角をヤスリで削って金鋸で直角に切れ目を入れ、トンカチで叩いて変形させた。鉄シャーシは加工も一苦労。


 1505

シャーシの中はこんな感じ。とても人様にお見せするようなシロモノではないが、こんなもんでも鳴るという実例として。




https://fbcdn-sphotos-h-a.akamaihd.net/hphotos-ak-xfa1/v/t1.0-9/226813_460667667338375_1504326680_n.jpg?oh=5a597eb85ae659411ae4119ffeced865&oe=55308C76&__gda__=1428416255_12f6001772a3f3b3092bf7287d489d931503

15181509

ベークライトの筐体はずっしりと重いが、この薄さなので箱鳴りは避けられない。内側に自動車オーディオ用のデッドニング材「レアルシルト」というのを貼ってみた。裏蓋にも音質改善用の素材(名称失念)を貼った。裏蓋との間に隙間ができないよう住宅用のクッション材(たぶんドア用)を貼った。密閉箱に近づけると熱の心配もあったが、大きさに余裕があることと裏蓋の上部が開いていることが幸いして、長時間の動作でも異常な高音になることはない。           

まずは手元にあったBluetoothレシーバーを接続してみた。



1830.JPG

最終的にこんな感じに。右側の白い箱はリモコンスイッチ用の受信機。これで電源をいれるために立ち上がらなくてもいいというモノグサ仕様。

BluetoothレシーバーははじめBelkinの据置用を使ったが、電源を入れ直すたびにペアリングからやらないといけないのが煩わしく、その後おなじBelkinのペアリング情報を記憶してくれるモデルに変更した。しかしこれも到達距離などの不満があり、現在はAliExpressで買ったKRC-86Bというモジュールを使っている。


動作している様子

トップページにに戻る